毎日のようにどこかで起きている鉄道人身事故。
TwitterなどSNSのトレンドでよく見かけるだけではなく、実際に自分が乗っている電車が人身事故に遭った人も少なくないのではないだろうか。
今日もきっとどこかで、人身事故が起きているのだろう。
鉄道の人身事故のおよそ半数は自殺だそうだ。
首都圏に限ると自殺の割合は約6割に高まっている。
そこで急速に普及しているのが「ホームドア」だ。
国交省によると、2016年3月末時点で665駅にホームドアやホーム柵が設置された。
しかし、依然ホームドアに対しネガティブな意見もおおい。
どうせ乗り越える人もいるのだから、効果はそれほどないのでは。という意見だ。
ホームドアの効果はどれほどだろうか。
設置駅の状況を個別にみると、ホームドアの自殺抑止効果はかなり大きいようだ。
ホームドアは人身事故だけでなく、鉄道自殺に対してもそれなりの抑止効果を発揮している。
ホームドアの設置年度の前後で、人身事故の件数が計435件から28件に減少している区間もある。
ホームドアを設置すれば、ホームドアをよじ登って線路に侵入するという特殊なケースを除き、人身事故や転落事故は発生しなくなる。
まさに鉄道の安定輸送における最終兵器だ。
しかし、ホームドアが未設置の路線、駅はまだまだある。
最大の理由は、お金(コスト)の問題だ。
ホームドアはそれだけをポンと置けばいいものではない。
鉄道の輸送システム自体を大きく変更する必要がある。
ホームドアをひとつ設置するだけで、路線全体に影響を及ぼすこともあるそうだ。
ホームドアの設置には1駅あたり億単位の金額がかかるともされており、国が3分の1、自治体が3分の1を上限として補助することになっている。
とはいえ、鉄道事業者側が多くコストを支払わなければならないことには変わらない。
ホームドアがなかなか導入されない理由はそこにあるのだろう。